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》抗がん剤による心毒性のシステムズ薬理学

                     
2020/02/07

抗がん剤による心毒性のシステムズ薬理学

三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学
田中利男

急激な高齢化社会によりがん患者が増加しているが、分子標的薬などによるがん治療の展開は著しく、現時点でも一部のがんは不治の病ではなく、治癒が期待できる(がんサバイバー)時代に入りつつある。一方、古くからアントラサイクリン系薬物の心毒性が有名であるが、最近特に多数の様々な分子標的薬が開発され、広範な臨床がん治療薬として使用されていることから、晩発性の循環器疾患発症リスクも注目されるようになっている。しかしながら現状では抗がん剤による循環器系合併症の正確な発症頻度や発症機序が不明であり、今後のOnco-Cardiologyにおける発展が期待されている。そこで、我々は今後も爆発的に開発されてくる分子標的薬などの最も深刻な副作用である心毒性に焦点を当て、新しいin vivoハイスループットスクリーニングシステムを構築し、大規模なスクリーニングを実施した。まず、心筋において選択的にGFPが発現する透明なゼブラフィッシュ(MieKomachi009)を、創生した。また、ゼブラフィッシュin vivoライブハイコンテンツイメージング用の96ウエルプレート(ZFplate)を、開発した。さらに、ハイコンテンツイメージャーによるスクリーニングの自動化を試みた。その結果、マニュアルスクリーニング法に比較して、約10倍のスループットを達成した。この新しいin vivo 心毒性ハイスループットスクリーニングにより、数多くの抗がん剤がヒットした。その中で肝細胞がんなどに使用されている経口マルチキナーゼ阻害薬であるsorafenibの心毒性が明らかとなった。そこで、その心毒性機構を解明するため、ゼブラフィッシュやヒトの心筋におけるトランスクリプトーム解析や遺伝子ノックダウン解析から、sorafenibによるstanniocalcin 1 遺伝子発現低下が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。

関連リンク

三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学

第49回日本心脈管作動物質学会

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