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Zebrafish-Based Oncocardionephrology
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2015ゼブラフィッシュ創薬元年
創薬における最重要課題
現在なお治療が困難な難治性疾患(アンメットメディカルニーズ)に対する新しい治療薬開発は、特に21世紀に入ってから困難を極めてきました。たとえば、世界の2008年から2010年における臨床試験第二相の成功率はわずか18%であり、国際的にも重大で深刻な問題として受け止められています。特に問題視されたのは、これら失敗原因の多くが、不充分な薬効であることから、従来のリバース薬理学がその役割を果たしていないことが、明白になりました(1)。
この新薬開発における危機的状況に対して米国NIHが、2008年9月には、アカデミア、製薬企業、FDAなどの先端的研究者達による第一回ワークショップを開催しました。この困難性に対するソルーションとして2011年10月に、世界にインパクトを与えた定量的システムズ薬理学(Quantitative and Systems Pharmacology)白書を、報告しました(2)。この白書によると、定量的システムズ薬理学とは、薬理学、ゲノム医学、情報科学が統合されたものであり、多くの新しい試みを報告しています。さらに、著しく困難な状況にある21世紀創薬において、新しい挑戦としてゼブラフィッシュも提案しています。現在までの創薬はハイスループットが可能なヒト細胞(iPS細胞やES細胞を含む)やロースループットながら深いin vivoメカニズム解析に活用してきた哺乳類モデルが2大モデル生物でした(図1)。
図1創薬ツール全体におけるゼブラフィッシュの特徴的役割
ここで、ゼブラフィッシュはin vivoハイスループットスクリーニングが実現する数少ない第三のモデル生物であり、全く新しいパラダイムを実現することになります。ゼブラフィッシュ創薬をどのような戦略で活用するかは、まだ世界的コンセンサスに到着していませんが、現在まで存在していない脊椎動物のin vivoハイスループットスクリーニングを有史以来初めて創薬プロセスに提供し、グローバルな創薬戦略にインパクトを与えることは、誰の目にも明らかであります。特に、臨床試験第二相の困難性を打破するためには、今後さらに有効なPharmacokinetics(PK)/Pharmacodynamics(PD)モデルが、不可欠とされています(図2)。
図2ゼブラフィッシュは、創薬モデル生物として、4領域の必要条件を満たしている
これらは、まがりなりにもin vivoハイスループットスクリーニングが可能な酵母、線虫、ショウジョウバエなどと大きく異なる必要条件となります。すなわち、オミクス(Omics)、病態生理学(Pathophysiology)、薬物動態学(Pharmacokinetics)、薬力学(Pharmacodynamics)において、ゼブラフィッシュは、どこまでヒトに外挿性があるのかは、他のモデル生物と同様にゼブラフィッシュ創薬が常に問われる基盤情報です。まず、82%のヒト疾患関連遺伝子が、ゼブラフィッシュ相同遺伝子によりカバーされています。このことから多数のヒト単一遺伝子疾患モデルの創成を容易にしております。さらに脊椎動物であることから、疾患関連遺伝子変異やノックアウトによるフェノタイプにおいて病態病理の類似性が多くの場合認められることは、決定的な特徴です(3)。一方、この困難な時代である1999年−2008年において、見事に米国FDAに認可された新薬を解析すると、興味深い事実に世界が気が付きました。その結果、62%の画期的新薬(First-in-Class)は、フェノタイプスクリーニングにより見出され確立していることが明らかとなりました(4)。またゾロ新と言われるFollower Drugは、51%がターゲットベースである従来のリバース薬理学のスクリーニングにより成し遂げられていました。その結果、現状のターゲットベースなリバース薬理学の限界を克服するために定量的フェノタイプスクリーニングが注目され、生体レベルでのフェノタイプやメカニズムの定量的ハイスループットスクリーニングが可能なゼブラフィッシュへの期待が大きくなりました。
ゼブラフィッシュ創薬の進展
ゼブラフィッシュの医学研究活用は、PubMedによると1955年から記録されていますが、2014年は2412報になり2015年にはさらに報告が増加すると思われます。これらの研究成果は、確実にゼブラフィッシュ創薬に不可欠な基盤情報を拡充しており、ゼブラフィッシュ創薬推進エンジンとして貢献しております。実際ヨーロッパでは2008年からはラットを抜いて、ゼブラフィッシュがマウスの次に頻用されているモデル生物となりました。さらに、世界中で多数のゼブラフィッシュ創薬ベンチャーが創業しております。また、国際的メガファーマが、薬効・安全性研究でゼブラフィッシュを積極的に活用しております。しかし、これらメガファーマにおけるゼブラフィッシュ創薬の現状は、論文や国際学会における彼らの活躍から推定できますが、具体的なパイプラインについては情報が不足しており、ゼブラフィッシュのみで創薬全プロセスが完成するわけではないので、今回は初期にゼブラフィッシュフェノタイプスクリーニングが著効した成功例について、画期的医薬品(First-in-Class)2例とドラッグ・リポジショニング(Drug Repositioning, Drug Reprofiling, Drug Repurposing)2例の全4例を、ご紹介します。しかしこれらが全世界のゼブラフィッシュ創薬のすべてと思えない理由は、メガファーマの事例が公開されていないことや本格的にゼブラフィッシュ創薬スクリーニングが開始されたのは2007年頃であることから、これらの事例は、単にゼブラフィッシュ創薬発展早期の成果でありますが、ゼブラフィッシュ創薬は確実に第三極の開発戦略を提供しており、今後グローバルには創薬全体への影響が明らかになると思われます。
1)Prohemeは、プロスタグランジンE2の安定誘導体であり、現在臨床試験第二相にあるゼブラフィッシュ創薬のフロントランナーです。Prohemeは、初期にゼブラフィッシュスクリーニングにおいて、造血幹細胞を増加させる化合物として2007年に報告されました(5)。その後マウスで薬効を確認後、2015年現在の臨床試験第二相においては、白血病とリンパ腫における臍帯血移植前のex vivo調製薬として使用されている(6)。
2)PROTO-1誘導体は、アミノグリコシド性難聴に対する予防薬として開発されている。初期には、10960化合物によるゼブラフィッシュ有毛細胞スクリーニングにおいて、アミノグリコシドによる有毛細胞死を防止する化合物として発見されました(7)。その後、Oricula Therapeutics社が、100倍薬効を増加させ安全性を確保した誘導体により、ラットで有効性を確認後Investigational New Drug(IND)として、臨床試験に入ったとされています。
3)2009年に、ゼブラフィッシュ急性骨髄性白血病モデルによる既存薬スクリーニングから、シクロオキシゲナーゼ(COX)2阻害薬の有効性が発見されました(8)。さらにマウスにおける移植ヒト白血病細胞増殖を、COX2阻害薬が抑制することを明らかにしました。そこで、急性骨髄白血病と骨髄異型性症候群のCOX阻害薬による臨床試験が開始されています(9)。
4)kcnh2遺伝子変異によるゼブラフィッシュLQTtype2症候群モデルによる1200の既存薬スクリーニングの結果、糖質コルチコイドflurandrenolideに強力な薬効が見出されました(10)。その後、臨床研究は、副腎皮質ホルモン製剤dexamethasoneにより好成績が得られつつあります。
以上の結果には、多くの共通項があり、全体像を図3にまとめました。
図3ゼブラフィッシュ創薬とリバース創薬の特徴と相違
これら4例はすべてヒト疾患モデルゼブラフィッシュによるフェノタイプスクリーニングがスタート点になっていることです。すなわち従来のオミクス解析から決定した創薬ターゲットによるリバース薬理学が、現状では余りに効率が悪い状況にありますが、この苦境を打破する創薬戦略として、まずヒト疾患モデルゼブラフィッシュによるフェノタイプスクリーニングが成し遂げられ、シード化合物が発見されています。この時に、真の創薬ターゲットが不明な場合もあり、シード化合物をツールとしてフォワード薬理学により作用機構解明がハイスループットで可能なのもゼブラフィッシュ創薬の特徴です。すなわち、疾患関連分子が必ずしも創薬ターゲットにならない場合や多数のパスウエイによる共通疾患フェノタイプをカバーしており、First-in-Classシードの可能性を数多く確保できるポテンシャルが特徴となります。さらに、革新的創薬ターゲットに作用するシード化合物が発見されると、その治療メカニズムのリバース薬理学が確立します。万一、このプロセスでその創薬ターゲットとシード化合物が新規性や薬効で見劣りすることがあれば、スタート点のヒト疾患in vivoモデルゼブラフィッシュのフェノタイプスクリーニングへすみやかに繋げることが、ハイスループットエンジンを実装したゼブラフィッシュ創薬の特色であり、哺乳類ではこの創薬プロセスを柔軟にかつ高速に推進することが困難です。さらにその驚くべきスループットは、並列に多数の創薬ターゲットとシード化合物のプロセス推進を可能にします。一方、臨床や哺乳類への外挿性を、オミクスやフェノミクスのレベルで比較解析することが必要となり、この時点での脱落は、出発点のフェノミクススクリーニングへ再出発できる点が、従来の単一標的分子リバース薬理学が停止した場合の打開策の少なさと対照的であります。以上の実績から、ゼブラフィッシュ創薬は、単なる安価なマウスや追加的薬理試験ではなく、フォワード薬理学とリバース薬理学を統合したものであり、最終的には強力なPK/PDモデルとして構築されることが期待されていることから、真に21世紀的システムズ薬理学戦略であることが明らかです。またゼブラフィッシュ創薬は、単なるシステムズ生物学の薬理応用ではなく、全く新しい創薬パラダイム(図4)を、我々に提示しています。
図4従来の創薬プロセスとゼブラフィッシュ創薬プロセスの共通点と相違点
具体的には真の最終ゴールであるUnmet Medical Needsのヒト疾患情報を、ヒト創薬ターゲット分子あるいはヒト疾患モデルゼブラフィッシュに集約するかの違いが原理上の相違となり、大きく創薬戦略が分かれます。その後、両者は異なるハイスループットスクリーニングでシード化合物探索を成し遂げますが、得られるシード化合物の内容は大きく異なります。リバース薬理学は単一ターゲットに対する絞られたシード化合物であるが、ゼブラフィッシュ創薬はフェノミクスを基盤としており現在の癌などの複雑な疾患群(Complex Diseases)に不可欠なPolypharmacologyが実現する新しい創薬パラダイムとなります。すなわちシード化合物からリード化合物への最適化プロセスを、分子細胞レベルで成し遂げるか、または生体レベルのPK/PDモデルで実現するかの違いは、最大のボトルネックとされる臨床試験第二相を克服する力の差に影響すると思われます。しかしこれらの創薬ワークフローは、絶対的なものではなく、対象疾患の種類や疾患モデルの完成度やゼブラフィッシュ創薬システム洗練度などにより統合的な活用がなされると思われます。
ゼブラフィッシュ創薬の革新
ゼブラフィッシュ創薬は、創薬戦略にパラダイムシフトを確実に起こしていますが、まだ国際的にも10年余の歴史しかなく技術的にも経験的にも未熟な部分を多く残しているため、本来持っているポテンシャルを見誤ることがあります。そこでまず、その弱点を克服するためにも、ゼブラフィッシュ創薬が必要としている最初のプロセスの強化が、緊急課題と思われます。特に1)広範なヒト疾患モデルの拡充と高度化、2)ゼブラフィッシュ疾患フェノミクスの先端技術、3)in vivoハイスループットスクリーニングの自動化、定量化、高速化、高度化などは、ゼブラフィッシュ創薬の成否を決める最重要技術革新です。
1)ヒト疾患モデル創成は、高度化と種類の多様性が必要条件となっています。まず他の種でも可能となったゲノム編集技術(ZFN,TALEN,CRISPRなど)により、ゼブラフィッシュでも広範なヒト疾患遺伝子のノックアウトやノックインが急激になされ、多様な単一遺伝子疾患モデルが開発されています。一方、ゼブラフィッシュ薬物動態遺伝子のノックアウト・ヒト薬物動態遺伝子のノックインなどにより全身の薬物動態をできるだけヒト化することが可能になりつつあります。さらにヒトiPS細胞などの移植によるヒト化キメラゼブラフィッシュ創成により組織レベルでのヒト化ゼブラフィッシュが実現しつつあります(図5)。
図5ヒト疾患モデルゼブラフィッシュの現状
2)ゼブラフィッシュ疾患フェノミクスの先端化は、ゼブラフィッシュ創薬のコアテクノロジーの一つです。ゼブラフィッシュ創薬において定量的フェノタイプ解析がスタート点であることからすべてを決定する重要な基盤技術となります。さらに、線虫やショウジョウバエの場合は、相同遺伝子の機能ゲノミクス解析のために定量的フェノタイプ解析が活用され、幾つかの成果を上げてきました。しかしながら必ずしもヒト臨床フェノタイプとの類似性は成立しないため、in vivoアッセイではありますが機能ゲノミクスツールとしてリバース薬理学へ橋渡しの役割を果たすにとどまりました。一方脊椎動物であるゼブラフィッシュは、多くの場合ヒト臨床フェノタイプとの類似性やそのオミクス機構における相同性も期待されています。これらのことが、ゼブラフィッシュ疾患モデルの定量的フェノタイプスクリーニングの新しいポテンシャルとしてスループットとフェノタイプ外挿性を同時に実現していることから、ヒト臨床オミクスに外挿した薬効定量解析が可能となります。しかしながら、現時点ではオミクス基盤における外挿性が保証された疾患フェノタイプモデル(すなわちゼブラフィッシュ疾患モデルフェノミクス)が不充分であり、その先端化と拡充が、緊急課題です(11、12、13)。
3)脊椎動物でライブin vivoスクリーングがハイスループットで実現することが、ゼブラフィッシュの最大の特徴であることは明らかですが、現状ではまだその長所を最大限に活かしているわけではありません。2000年から、96ウエルプレートによるゼブラフィッシュスクリーニングが開始されましたが、現在我々は384ウエルや1536ウエルプレートゼブラフィッシュスクリーニングシステムを開発しています。96ウエルプレートは受精後10日間は使用できますが、ハイコンテンツイメージング用にすべて同じポーズを実現するZF plateを創成しました。384ウエルは孵化直後の受精後4日まで、1536ウエルは受精卵に使用できますが、自動整列システムが不可欠となります。ゼブラフィッシュゲノム全体はヒトと約70%の相同性があるとされていますがこの差異はむしろ、ヒトがん細胞移植部位の宿主ゼブラフィッシュ微小環境とヒト移植がん細胞の次世代DNAシークエンサーによる相互作用解析に有利な点となっています(14、15)。TALENやCRISPRによるゲノム編集がゼブラフィッシュにも応用できることなどから、創薬ターゲットバリデーションや新薬作用機構の解明におけるスループットを圧倒的に高くしています。受精後1日で心拍動が認められる等臓器形成が著しく早く、1組1回で約200個の受精卵が得られ、動物愛護との調和性が高いことなどが、欧米で早くから活用されている理由です。さらに、体長3mmの稚魚で、精密なフェノタイプ解析を96穴プレートで、1mg以下の各化合物でin vivoにおける薬効と安全性の大規模スクリーニングが完了できる等の極めて多くの特徴が認められる新しいヒト疾患モデル生物です。我々は、ALSや筋ジストロフィーなどの単一遺伝子疾患モデルに加えメタボリックシンドロームや心不全などの生活習慣病モデルを多数創成し、メカニズムや化合物のスクリーニングを展開しています(16、17、18)。さらに、種々の色素欠損ラインと細胞選択的蛍光蛋白トランスジェニックゼブラフィッシュの交配などにより、各ヒト疾患モデルのライブin vivoイメージング用ゼブラフィッシュを現時点で23種類(MieKomachiシリーズ)以上開発し、定量的フェノタイプスクリーニングに活用しています(13、15、19)。一方トランスジェニックゼブラフィッシュでカバーできない生体内細胞ライブin vivoイメージング用プローブを多数創製し、各病態イメージングに活用しています(20−24)。これらの基盤技術をさらに強化して、オミクス研究の急速な発展に対応できるフェノミクス解析システムを構築するため、ライブin vivoイメージングをコアに、自動化、高速化、定量化、高度化等の実現を目指しています。さらに、ヒトがん幹細胞移植モデルを確立して(25)、新規蛍光ヒトがん幹細胞阻害薬を発見し、ヒトがん幹細胞におけるステムネス機構を解析しております(26)。
フェノミクス個別化医療への展開(図6,7)
免疫不全マウスに比較して、ゼブラフィッシュのヒトがん細胞移植の圧倒的な生着率や生着スピードが24時間以内で速いこと、移植に必要なヒトがん細胞が200個以下であり、2日間で薬効が定量解析できるなどの利点から、我々をはじめ世界で臨床がん検体のゼブラフィッシュ移植が試みられています。これらヒトがん細胞のゼブラフィッシュ移植システムは、臨床体外診断システムとして、真の個別化医療ツールになることが期待されています(図6)。
図6フェノミクス個別化医療の標準プロトコール
従来の個別化医療は、遺伝子多型(ゲノム)、遺伝子発現レベル(トランスクリプトーム)、プロテオーム、メタボロームなどのオミクスを基盤とした大規模集団統計学の予測により構築されようとしております。一方、臨床がん検体移植ゼブラフィッシュによる個別化医療は、各患者がん検体のフェノミクス解析結果を、その患者の治療薬選択に活用する真の次世代個別化医療であり、大きなパラダイムシフトが実現しつつあります(図7)。
図7フェノミクス個別化医療システムの原理
1) Nat.Rev.Drug Discov.10, 328 (2011).
2)http://www.nigms.nih.gov/training/documents/systemspharmawpsorger2011.pdf
3) Nat.Rev.Drug Discov. doi:10.1038/nrd4627 (2015)
4) Nat.Rev.Drug Discov.10, 507–519 (2011).
5) Nature 447, 1007–1011 (2007)
6) Exp.Cell Res. 329, 220–226 (2014)
7) PLoS Genet. 4, e1000020 (2008)
8) Nat.Chem. Biol. 5, 236–243 (2009)
9) Leuk. Res. 36, 570–574 (2012)
10) Circulation 123, 23–30 (2011)
11) BMC Physiology 10、21-33 (2010)
12) Sci Rep. 4:3708 (2014).
13) Front.Pharmacol. 2015. 6:199 (2015)
14) Methods in Molecular Biology, 1165:223-238 (2014)
15) Tumour Biology 11 September 35(12):11861-9 (2014)
16) FEBS Lett. 588(18):3409-16 (2014)
17) Toxicol Sci. 143(2):374-84 (2015)
18) Nutr Metab (Lond). 12:17 (2015)
19) International Journal of Obesity (Lond). 38(8):1053-60 (2013)
20) BMC Neuroscience 11:116 (2010)
21) BMC Neurosci.13:101(2012)
22) PLoS ONE 7(12): e52549 (2012)
23) Molecular Biotechnology 55(2):131-142 (2013)
24) ACS Chem. Neurosci., 4 (8), pp 1183 (2013)
25) PLoS One. 9(1):e85439 (2014)
26) Biomaterials 52:14-25 (2015)