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2023/09/13
ゼブラフィッシュ発生毒性学とデジタルトランスフォーメーション

2023/02/21
患者がん移植モデル(PDX)とターゲットバリデーション

2021/06/29
ハイスループットゼブラフィッシュ発生毒性試験プロトコルの確立

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自動ゼブラフィッシュ創薬のインパクト

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》システムズ薬理学によるバルプロ酸の催奇形性分子機構解析

                     
2014/10/24

システムズ薬理学によるバルプロ酸の催奇形性分子機構解析

村上宗一郎1、西村有平1,2,3,4,5、笹川翔太1、芦川芳史1、川端美湖1、有吉美稚子1、張貝貝1、田中利男1,2,3,4,5

1三重大・院・医・薬理ゲノミクス、2三重大・メディカルゼブラフィッシュ研究セ、3三重大・院・医・システムズ薬理学、4三重大・新産業創成研究拠・オミックス医学研、5三重大・生命科学研究支援セ・バイオインフォ

抗てんかん薬であるバルプロ酸の催奇形性に、ヒストン脱アセチル化酵素阻害作用が重要な役割を果たしていることが明らかにされているが、その詳細な分子機構に関しては依然として不明な点が多い。我々は小型脊椎モデル動物であるゼブラフィッシュの受精卵にバルプロ酸を投与し、発現が有意に変動する遺伝子をDNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析した。さらに公共データベースGene Expression Omnibusを利用し、マウス胎児やマウスES細胞にバルプロ酸を投与した場合に発現が変化する遺伝子を同定し、ゼブラフィッシュの発現変動遺伝子と比較した。その結果、ポリコーム遺伝子のひとつであるepc2の発現が、ゼブラフィッシュ受精卵、マウス胎児、マウスES細胞において、バルプロ酸投与により有意に低下することを見出した。さらに、TALENを用いてepc2をノックアウトしたゼブラフィッシュにおいて、バルプロ酸を投与した場合と同様の遺伝子発現および催奇形性が認められることを明らかにした。これらの結果から、バルプロ酸の催奇形性にepc2が関与する可能性が示唆された。

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第126回日本薬理学会近畿部会