Publication List Japanese

2019/11/02
患者がん移植ゼブラフィッシュモデルによるプレシジョンメディシン

2019/08/01
次世代ゼブラフィッシュ創薬とプレシジョンメディシン

2019/07/30
次世代プレシジョンメディシンとゼブラフィッシュ創薬Next Generation Precision Medicine

2019/06/01
患者がん移植ゼブラフィッシュモデル(PDXZ)とプレシジョンメディシン

2018/07/01
ゼブラフィッシュ創薬とプレシジョンメディシン

》システムズ薬理学的アプローチによる新規心不全治療標的遺伝子ECI2の発見

                     
2013/02/09

第42回日本心脈管作動物質学会

システムズ薬理学的アプローチによる新規心不全治療標的遺伝子ECI2の発見

島田康人、黒柳淳哉、梅本紀子、張貝貝、西村有平、田中利男

現在わが国の心不全患者数は推定約160万人、社会の高齢化に伴い患者数の著しい増加が予想されている。心不全の基礎疾患としては虚血性心疾患、不整脈、心弁膜症、心筋症などがあるが、いずれも最終的には心臓のポンプ機能の低下・消失を誘導し死にいたる。
 我々は今回、マウス・ラットに続く第3のモデル動物として注目されている「ゼブラフィッシュ」を用いて僧房弁逆流症心不全モデルを構築した。このモデルは、房室弁の閉鎖不全と心拍出量・抹消循環量の低下、引き続く容量負荷による心室の著明な拡大が認められた。既存の心不全治療薬を用いたスクリーニングを行ったところ、複数の既存薬に応答し、特にアドレナリンベータ受容体遮断薬により生命予後が改善した。この心室組織を、Laser Capture Microdissectionで回収し、total RNAを抽出、DNAチップを用いて網羅的遺伝子発現解析を行った。そこで得られた遺伝子群に対し、siRNA cocktailによるノックダウンスクリーニング、およびmorpholino antisenseを用いたバリデーションにより、新規心不全治療ターゲットECI2を発見した。ECI2のノックダウンにより、心臓におけるATP量の増加を認め、心不全モデルの病態および表現型は改善した。なおこのATP量の増加は、in vitroでも認められた。
 本研究では、ゼブラフィッシュを用いて、オミックス解析とin vivoスクリーニングを統合した定量的システムズ薬理学的アプローチにより、新規心不全治療ターゲットを発見したので報告する。