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2024/06/03

in vivo 血漿蛋白蛍光色素ZMB741によるゼブラフィッシュ創薬スクリーニング

2024年5月21日に、ACSjournal:Chemical & Biomedical Imaging,In Vivo Assessment of Individual and Total Proteinuria in Zebrafish Larvae Using the Solvatochromic Compound ZMB741
Tsuyoshi Nomoto, Aoi Mori, Kayoko Yamada, Fumihiro Terami, Akiyoshi Shimizu, and Toshio Tanaka*がアクセプトされました。

ZMB741を用いた蛋白漏出の可視化方法は、将来的な腎疾患治療薬の開発に以下のような貢献が期待されます。

腎機能評価への新たな手段
ZMB741を用いることで、グロメルリや近位尿細管の機能障害を詳細に評価することができます。これは、従来の方法では検出が難しい微細な蛋白漏出や腎機能の変化を捉えるための新たな手段を提供します。この方法により、病態生理学的研究が進み、腎疾患の詳細なメカニズム解明が促進されます。

高スループット化学スクリーニング
ZMB741を使用することで、マルチウェルプレートを用いた高スループット化学スクリーニングが可能となります。これにより、多数の化合物を迅速かつ効率的に評価することができ、潜在的な治療薬候補の発見が加速されます。また、この方法は低コストでリソースも少なくて済むため、初期段階での治療薬探索において非常に有用です。

病態の細部を捉える可視化技術
ZMB741は、蛋白の漏出をリアルタイムで可視化するため、腎疾患の進行過程や薬剤の効果を詳細に観察できます。例えば、アリストロキア酸による腎障害モデルでZMB741を使用することで、蛋白漏出の程度や分布が定量的に評価されるため、病気の進行や治療効果を正確にモニターすることができます。

個体レベルでの解析の可能性
従来の方法では、個体ごとの変化を捕捉するのが難しいことが多かったのに対し、ZMB741を用いる方法では個体レベルでの解析が可能です。これにより、個別の反応や治療効果を詳細に評価することができ、パーソナライズドメディスンの発展にも寄与します。また、レズベラトロールなどの化合物による腎保護効果の検証にもこの方法が応用されています。

以上の理由から、ZMB741を利用した蛋白漏出の可視化方法は、腎疾患治療薬の開発に大きな貢献が期待されます。


関連ファイル

in vivo 血漿蛋白蛍光色素ZMB741論文

in vivo 血漿蛋白蛍光色素ZMB741による蛋白尿定量スクリーニング

関連リンク

三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター

三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学

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