Publication List Japanese

2017/07/01
化学工業 Vol.68No.7 ゼブラフィッシュ創薬とInternet of Zebrafish(IoZ)

2017/05/22
月刊ファームステージ Vol.17 No.2 ゼブラフィッシュ創薬とフェノミクス薬理学

2017/03/31
NEW薬理学 改訂第7版 プロテオーム創薬

2016/10/19
三重大学春秋会会報 第39号 ゼブラフィッシュ創薬への道程 

2016/10/07
理系マイナビ special interview

》 ゼブラフィッシュによる新しい網膜保護機構解析

                     
2014/09/13

シンポジウムI 「視神経網膜保護の基礎と臨床最前線」

ゼブラフィッシュによる新しい網膜保護機構解析

○西村有平1),2),3),4),5)、梅本紀子1),2),3),4),5)、田中利男1),2),3),4),5)

1)三重大学大学院医学系研究科薬理ゲノミクス
2)三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター
3)三重大学システムズ薬理学プロジェクト研究室
4)三重大学新産業創成研究拠点オミックス医学研究室
5)三重大学生命科学研究支援センターバイオインフォマティクス

ゼブラフィッシュは小型の脊椎動物であり、網膜をはじめ多くの組織がヒトと類似しているため、様々なヒト疾患研究に応用されてきた。また、ゼブラフィッシュは水棲生物であり、化合物を飼育水中に添加することにより曝露が成立する。特定の細胞に蛍光蛋白質を発現するトランスジェニックゼブラフィッシュや、組織特異的に集積する蛍光色素を用いたin vivoイメージングを用いて、化合物の薬効や毒性をハイスループットに評価することが可能であるため、多くの製薬会社が導入を進めている。さらに近年、TALENやCRISPR/Cas9などのゲノム編集技術を用いて任意の遺伝子をノックアウトすることが可能となり、疾患関連遺伝子、治療標的遺伝子の探索や機能解析においてもゼブラフィッシュの有用性が高まっている。我々はこれらのゼブラフィッシュの特徴を利用し、医薬品の網膜毒性や、視細胞障害の分子機構などを解析してきた。
 現在臨床で使用されている治療薬や、新規に開発される薬物の中に、網膜毒性を持つ薬物が存在することはよく知られている。特に、HSP90阻害薬は有効性の高い新規抗がん薬として注目されているが、複数の臨床試験においてその網膜毒性が問題となっている。我々はゼブラフィッシュにHSP90阻害薬を曝露し、網膜のイメージング解析とトランスクリプトーム解析を行った。その結果、ゼブラフィッシュにおいてもHSP90阻害薬曝露により視細胞が変性すること、HSP90の発現量低下や機能阻害によりロドプシンのリン酸化量が有意に低下することを見出し、HSP90阻害薬の網膜毒性がon-targetによる可能性を明らかにした。
 また、我々はダイナクチン複合体の構成分子であるアクチン関連タンパク質の機能障害によりゼブラフィッシュの視細胞形成が障害されること、この障害の分子機構が繊毛症と類似することを見出した。これらの結果より、ゼブラフィッシュは網膜疾患の分子機構や網膜保護機構の解析、化合物評価において強力なツールとなることが示唆された。

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