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》システムズ薬理学によるHSP90阻害薬の網膜毒性発現機構解析

                     
2014/09/14

システムズ薬理学によるHSP90阻害薬の網膜毒性発現機構解析
○笹川翔太1)、西村有平1,2,3,4,5)、梅本紀子1,2,3,4,5)、山田裕一郎6)、金丸千沙子6)、木村和哉6)、井上智彰6)、千葉修一6)、田中利男1,2,3,4,5)
1)三重大学大学院医学系研究科1)薬理ゲノミクス、2)システムズ薬理学、三重大学3)メディカルゼブラフィッシュ研究センター、4)新産業創成拠点オミックス医学、5)生命科学研究支援センターバイオインフォマティクス、6) 中外製薬(株)研究本部

【目的】 HSP90は癌細胞の生存や増殖に関わる様々な蛋白質の安定性および活性化に重要な役割を果たしている。そのため、HSP90は抗癌薬の重要な分子標的と考えられ、多くの製薬企業がHSP90阻害薬の開発を進めてきた。Pfizer社のSNX-5422、Novartis社のAUY-922、Astex社のAT13387の臨床試験では、これらのHSP90阻害薬の抗がん剤としての有用性が示された一方、HSP90阻害薬による網膜毒性の出現が問題となった。しかし、その分子機構は依然として不明である。本研究では、HSP90阻害薬の網膜毒性発現機構の解明を目的として、小型脊椎動物モデルであるゼブラフィッシュを用いたシステムズ薬理学的解析を実施した。
【方法】 受精後3日目から10日目までHSP90阻害薬CH5164840をゼブラフィッシュに曝露し、網膜切片の形態を解析した。また、ゼブラフィッシュの眼球におけるトランスクリプトームを解析し、CH5164840の曝露により発現が有意に変化する遺伝子を同定し、その機能的意義を解析した。さらに、HSP90や他のHSP遺伝子と共発現する遺伝子を加重遺伝子共発現ネットワーク解析を用いて同定した。また、HSP90の発現量変化や機能的阻害がロドプシンのリン酸化に与える影響をゼブラフィッシュを用いて解析した。
【結果】 CH5164840を7日間曝露したゼブラフィッシュの網膜では、視細胞が変性しており、ロドプシン、コーンオプシンともに発現が減少していた。トランスクリプトーム解析、加重遺伝子共発現ネットワーク解析からHSP90阻害薬の網膜毒性はon-targetの副作用であることが示唆された。HSP90の発現量低下や機能的阻害によりロドプシンのリン酸化量は有意に低下した。
【考察】 HSP90は視細胞の機能維持に必須であり、HSP90阻害薬の網膜毒性を回避するためには網膜への動態を制御することが重要であると考えられる。また、化合物の毒性発現機構におけるon targetとoff targetの鑑別にシステムズ薬理学が有用であることが示唆された。

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